
てんかん・発達障害
てんかん・発達障害
てんかんは、脳の神経細胞が一時的に異常な電気的興奮を起こすことで、けいれんや意識障害などの発作を繰り返す病気です。
てんかんは年齢や性別に関係なく起こる可能性があります。小児期は、高齢者に次いで、てんかん発症が多い時期といわれています。子どものてんかんは、およそ100~150人に1人の割合で発生するといわれています。
発作の症状は、異常な興奮が起こる脳の場所によって異なり、体のけいれん、意識がなくなる、突然何かが見える、一時的にぼーっとする、などさまざまです。ただし、一人ひとりの発作のパターンはほぼ決まっており、同じような発作を繰り返すのが特徴です。
なお、てんかんは「熱がないのにけいれんを繰り返す病気」で、熱性けいれんとは異なります。ただし、てんかんのある方は熱が出たときにもけいれんを起こしやすくなる傾向があります。
てんかんの発作は、けいれんだけではありません。以下のような症状が繰り返し見られる場合は、一度ご相談ください。
てんかんの発作は数秒から数分でおさまることが多く、発作がないときはふだん通りに生活できます。
ただし、発作がいつ起こるか分からないという点が、日常生活や学校生活に大きな影響を与えることがあります。そのため、発作をしっかりと抑える治療がとても重要です。
また、発作のタイプや頻度によっては、「もし発作が起こったらどう対応するか」といったことも含めて、日常生活の中でどのように過ごすかを一緒に考えていく必要があります。
治療の基本は、抗てんかん薬による薬物療法です。発作の種類に応じて、適したお薬を選びます。まずは1種類の薬(単剤)で治療を開始し、それでコントロールできる方が約6割といわれています。発作のコントロールが難しい場合は、2種類以上の薬を併用したり、外科的治療を検討したりすることもあります。
長期的な服薬が必要になることが多いため、
が大切です。
ご不安な点があれば、小さなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。お子様とご家族にとって安心できる診療を心がけています。
熱性けいれんは、生後6カ月から5歳ごろまでの子どもに見られる、発熱に伴うけいれん発作で、小児科ではよく見られる病気です。
多くは38度以上の発熱時に起こり、ほとんどの場合は予後良好とされています。
とはいえ、熱でしんどそうなお子様が突然けいれん(ひきつけ)を起こす様子を見ると、驚きと不安でいっぱいになるのは当然のことです。
けいれんが起こった時の対応はどうしたらいいのか?救急車を呼ぶべきか?検査は必要か?予防はできるのか?――
「大丈夫」と言われても、特に初めて経験された場合は、不安が残ることもあると思います。
そんな時は、どうぞ遠慮なくご相談ください。
熱性けいれんには共通する対応のポイントもありますが、お子様の年齢や体質、ご家族の考え方によって対応が変わることもあります。正解が一つではないからこそ、一緒にお話ししながら、そのお子様に合った方法を一緒に考えていければと思います。
発達障害とは、生まれつき脳の発達にかたよりや特性があることによって、言葉の発達の遅れ、対人関係のむずかしさ、特定の学習の苦手さ、落ち着きのなさ、集団生活へのなじみにくさなどが現れる状態をいいます。
多くは幼児期から学童期にかけて気づかれることが多く、特に幼稚園や小学校など、集団生活が始まることで特徴がはっきりと見えてくることがあります。
発達障害は大きく分けて
などに分類されますが、複数の特性が重なっていることも少なくありません。
ひとくちに「発達障害」といっても、そのあらわれ方や困りごとはお子様ごとに異なります。そのため、一人ひとりに合った理解や支援がとても大切です。
ご家族や周囲の方がその子の特性を理解し、早い段階から適切な療育(発達支援)を行うことで、お子様の力や自信を育み、人との関わりの中でのびのびと過ごせるようになります。
当院では、発達検査や療育そのものは行っておりませんが、お子様の日常の様子や困りごとをお伺いし、
といったご相談に対応しております。
ご相談にあたっては、お子様の普段の様子やご家族のお気持ちを伺うために、少しお時間をいただくことがあります。また、一度の診察では判断が難しい場合には、何度か通っていただきながらお子様の様子を拝見し、ゆっくりとご相談を重ねていくこともあります。
「ちょっと気になる」「他の子と少し違う気がする」——
そんな小さな気づきが、支援への大切な一歩になることもあります。
どうぞお気軽にご相談ください。
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